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新創世記・第5巻(光の道標)詩編の中の『夢追い郷里』という長い詩の中程の辺りに…

繁栄と調和の理念に順序あり、繁栄が主として先走り、調和は従として補いゆく…
〈中略〉
何方も尊い理念であるが、繁栄が主であり、調和が従である…

…という箇所がありますが、詩の体形としては此れだけでは十分な説明が成されてはいないのであります。
此処での意味合いは創造というものが、積極的に展開される段階での繁栄と調和の働き掛けの違いによる順序なのであります。
創造作用の初期の段階に於いては、即ち夢なら夢に対する意識が未だ幼なき段階に於いては、大いなる母なる愛にて、暖かく包み育んであげる必要があるのです。

草花に例えるならば、草花の種を単に転がしておくだけでは成長しません。
やはり草花の種は大地の中に埋めてあげる必要があります。
母なる大地の愛によって包んで、暖かく育んであげることによって、草花の種はスクスク生長してゆくのであります。
幼き種の段階では、どうしても大いなる愛が必要なのです。
そうして大いなる母の愛を無心に得んが為に(母なる大地と一体である自覚を得んが為に)種は先ず土の中に深く広く根を下ろします。
そして母なる大地と一体であることの安心感(やすらぎ)を得て、始めて地上に芽生えて来るのであります。

これは人間に於いても十分に当て嵌まることであるのです。
いや寧ろ人間であるからこそ納得がいくことでもあります。
大いなる光が一つの意志(夢)を有して地上に天降って来る当初は、やはり母なる愛(母胎)に宿ってくるわけです。
そして十月十日という長い月日を掛けて母なる愛に育まれてゆくのであります。
そうして生誕後も、現代では約二十年の年月を掛けて、両親(特に母親)の愛の下に育てられてゆくのであります。
こうした神秘を皆さんは考えてみたことがあるでしょうか…。

人間は他の動植物たちとは違い、実に長い年月を掛けて育てられているのです。
どんなに立派な魂であっても赤ん坊として生まれた当初は、他の全ての生命たちと同じスタートラインから始まるのです。
転生輪廻の下に新たに生まれ変わって来たとしても、既に時代は移り変わり、生活形態も大きく変わり、言葉も時代常識も違っているでしょう。

此のことを分かりやすく説明するならば、いま貴方が有している知恵や愛が、どんなに優れていたとしても、日本人である貴方が、アメリカなりフランスなりドイツなどで、その知識を発揮しようとしたところで、先ず言葉が違う、生活形態が違う、国境を越えた常識の違いがある…。
こうした中で貴方が知恵と愛とを他者に伝えてゆくためには、その国(環境)に合った言葉や社会風土を学ばなければならないでしょう。
この基礎的努力なくしては、貴方の素晴らしい智恵と愛とを伝えてゆくことが出来ないのであります。
そのためにも其の国(環境)に於いての基礎的知識を得んとする行為こそ、先程の草花の例えに語ったような、草花の種が大地の中に深く広く根を張る行為と同じであると言えるのであります。

此処で気を付けなければならないことは、貴方の本来の夢(理想)と現実(環境)との違いを、どのように処理してゆくかと言うことです。
現代では往々にして理想と現実のギャップが、大きく掛け離れているようですから、貴方の環境の中で学んでゆく物事が、真実の愛の視点で眺めた時に何が正しく何が間違っているのかを、先ずは判別しなければなりません。
そして正しき愛の想いを其の環境の中に於いて、どのように発現してゆくべきかは、やはり其れなりの智恵が必要なのです。
其処に真実の愛とは如何なるものであるかを、進んで探究する姿勢が望まれてくるのであります。

総ての生命の輪廻転生の最大目的とは真実の愛の探究に他なりません。
総ての生命は一人残らず愛の探究者なのです。
真実の愛を高め深め広げる為に、其の方法論として在りと在らゆる『夢』が生まれて来たのであります。
貴方は貴方の夢を、其の夢の純粋性を、何処までも高め深め広げ続ける中に、真実の愛との出逢いを幾多となく実体験してゆくことになるでしょう。
貴方の夢は、貴方の本当の夢(使命)とは、貴方自身の個性の中に其の秘密が隠されているのであります。
貴方は貴方の内に具わっているところの個性を、もはや隠している必要はありません。

貴方の個性は貴方だけの大切な個性でありますが、大いなる神霊界(こころ)の大宇宙の中の一つの尊い役割としての、貴方に充てがわれた(貴方自身が選択して来た)貴方だけの個性であるのです。
ですから全生命の更なる繁栄の為に、貴方は貴方の個性を最大限に発揮する必要があるのです。
決して控え目に小さくなることが謙虚なる姿勢ではなく、全生命の繁栄の為に貴方の個性を最大限に発揮することこそ、大いなる神(大意識)に対しての本当の謙虚なる姿勢ではないですか…。
一人二人の魂の退歩が、全生命の繁栄の歩みに対しては、却って高慢な行為であるのです。

罪という言葉を仮に想定するならば、個生命の発現するべき個性(使命)を包み隠す行為こそ罪である訳です。
罪の語源は正しく『つつみ』隠す行為であり、『つつみ』の『つ』の字が詰づまって罪(つみ)と言うのであります。

話は前後しますが、一人一人に具わった個性(夢)が、揺るぎなき自信となりて自己展開してゆけるように成るまでには、どうしても母なる愛が必要であります。
日本という国は昔から『和』を尊ぶ国として歴史を綴られて来た訳ですが、古くから此の日本のことを『大和の国』として其の精神を『大和魂』と言ったり、日本女性の精神表現を『大和撫子』などと言ったりしておりましたが、こうした精神は日本の気候風土が、かなり大きく影響しているようです。
日本という国は誠に女性的な国体であり、女性的な清らかさと美しさと、四季折々の彩りとを見事に融和(融けあい和する)してゆける『調和国家』とも言えるのであります。

日本を取り巻く自然環境を、人々は其のまま生活に生かして、時には『誠心』とし、時には『善義』の良き見本とし、時には『優美』の心として、自然界の奥底に流れる形を超えた心(理念)を、時代精神として展開してまいりました。
そうした意味合いからも、日本民族は非常に精神性(霊性)に優れた民族であると言えると思います。

こうした調和の心が日本の食生活にも浸透して来ております。
和食というと、まず思い出される故郷の味として『鍋料理』が挙げられます。
様々な材料を鍋の中に詰め込んで、グツグツと十分な時間を掛けて煮込む訳ですが、一つ一つの具(穀物や野菜など)を鍋を基盤として結び合わせて、それぞれの具が持っているところの味わいを、最大限に醸し出し融和してゆくことにより、香り高く親しみのある不思議な味わいが出てくるのであります。
其の時に互いの具の味わいを完全に結び合わせてゆくために、どうしても必要となるものが『熱』(十分に時間を掛けて煮込む)であります。
鍋料理という一つの全体としての味わいを最高のものとするために、一つ一つの具に宿るところの個性(具そのものの味わい)を最大限に発揮するところに、神秘的な深い味わいが醸し出されて来るのであります。

和食のもう一つの特徴としては、凛とした気品を観ずる『膳料理』を挙げることが出来ます。
膳料理とは、四角あるいは丸い『御膳』の上に、お椀や小皿を並べて一品一品、個別に盛り付けて出される料理でありまして、古くから貴族や上流武家などで親しまれて来たようであります。
こうした膳料理のように、一品ずつ盛り付けられる料理が、はたして大和の心を反映しているのであろうか…と思われるかも知れませんが、実は膳料理こそ真に大和の心を投影しているものであるのです。
それは食物には個々に其の材質としての個性(味わい)が具わっている訳ですが、其の個々の味わいを尊重しながら、全体(御膳)としての調和を保っているからです。

一つ一つの食物には其の食物なりの歴史(生長の過程)があり、その過程の中にて大自然の大いなる愛を繰り返し受け続け、食物たちは育まれた愛の恩恵に深く感謝して、その恩恵に報いる為にも食物としての愛の想い(味わい)を最大限に発揮するべく、料理人の前に縁を以って集まって来たのであります。
それらの個々の食物の愛の想いを決して覆い隠すことなく、むしろ食物の味わいを尚一層、引き立てる為の工夫をし、一品一品の味わいを全体(御膳)の中での一つの役割(使命)として、個性(味わい)を光らせているのであります。

調和とは『結び』であり、かつて日本では『むすび』という言葉を『産霊』と書き表しておりました。
産霊(むすび)とは、霊が産まれると言うことですが、この場合の霊とは本来の人々にとっての『喜び』『幸せ』を意味しており、箇々別々であったものを一つに融合してゆくことにより、心の一体観から湧いてくる『喜び』に、幸福を深く観じるさまを表現しております。
この結びに伴う喜びを、単に料理人のみが楽しむことなく、料理を食する人たちに結びの喜びを委ねる意味合いから、あのような膳料理の形態が現れてきたのであります。

もう一つ膳料理で大切なものと言えば、やはり一品一品の配膳ではないでしょうか…。
実は膳料理の配膳の基本は大自然の縮図であるのです。
それは寺院などの庭園が自然の風景を縮図化しているように…。
また俳人が五・七・五の17文字の中に自然を凝縮して表現しているように…。
詩人や画家が詩の体形やキャンパスの中に大自然(宇宙)を集約し表現するように…。
膳料理に於ける小皿の配置も大自然の縮図なのであります。
専ら其の地方の自然の特徴を生かして配膳される訳ですから、配膳された膳料理から、其の地方の特色を逆に洞察することも可能であるのです。

貴方たちの夢追いも、如の此く大自然(心の宇宙)を個々の夢(小皿)に表現して、全体(御膳)としての個々の役割(味わい)を最大限に発揮する為に、個性を純粋化し愛を深め広げて、見事な調和を試みてゆくことこそ、その後の大いなる繁栄への始まりを迎えることになるのです。

こうした心の基盤とも言える、全体の為の個性の確立(自己確立)がシッカリとしていればいる程、より多くの生命たちに対して、より素晴らしい愛を伝え広げてゆけるのであります。
個性の確立には母なる愛が必要であるけれども、自己確立の過程に於いての、他の生命との積極的な結び(調和)の想いと行為とが、とてもとても大切な心掛けであるのです。

『愛は愛を呼ぶ』と言います。
愛深き愛の供給者であればある程、多くの愛の光に包まれて、心の調和を保ち続けてゆけるのであります。
どうか皆さんの夢追いが、他の多くの人たちの幸福に繋がるようなものとして、愛の下に叶えられますことを深く深く祈念いたします。



06  実相流転 【炎の道標編】 【風の道標編】

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